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先任准教授
加賀谷 優
千葉大学卒業
マイクロサージャリーを本格的にやりたい
私は幼少期より絵や工作にたまたま適正があったという背景から、最初はデザイン工学を学びその後医学部を卒業したという経緯があります。その関連もあってか、形態と機能を追求する形成外科という分野に学生時代から興味を持ち、卒業前から志しました。研修医2年目に東京大学形成外科学教室に出入りした事でマイクロサージャリーの魅力に触れ、研修医2年目の1年間、仕事が終わった後から終電までの17:00~24:00の時間ひたすらラット血管吻合の修練を積み、500本以上の血管吻合を行いました。顕微鏡の前でミクロの世界に没頭し、自らの技術が上がっていく過程を非常に楽しく感じていました。
マイクロサージャリーを本格的にやりたいという思いから母校の千葉大学を離れ、東京大学医学部形成外科学教室に入局しました。そこで最初に派遣された杏林大学に馴染み、長く所属する事となりました。杏林大学は非常にアクティブな医局で、とにかく寝ても覚めても手術をしていました。当初はマイクロサージャリーのみマスターし、それ以外は何の技術もない状態でしたが、杏林大学やその関連施設において、形成外科診療の概念や手術プランニング、トータルとしての手術技術や術後管理を学びました。


臨床と基礎の融合で新たな医療を発信
形成外科医になってから約15年間、手術技術・術前術後管理や創傷管理に関する理論構築・再現性を重視して経験を積んできました。施設異動が多かった事もあり、外傷、再建外科、難治性潰瘍、皮膚腫瘍外科、美容外科など様々な領域の経験が積み重なり、自分自身を形成外科オールラウンダーと考えています。一見全く関係ないと思われる分野の事が、別の分野の解決策となり得ることもあり、広い範囲の経験値は実臨床で非常に役立っています。全身の手術を行なう中で、結果として全身体表構造の解剖に精通する事にもなりました。また、既存の治療で対処が難しい症例に対して、常に新しいアプローチを模索し解決策を考える事を意識しています。
その後、縁あって順天堂大学様にお声をかけていただき、現在に至ります。とにかく手術を行なってきた形成外科人生でしたが、基礎研究的なスキルが全くない事に関して何とかしたいとずっと考えていました。順天堂大学形成外科学教室は基礎研究面で非常に進んでおり、様々なサポートを得て、現在臨床を行いながら基礎研究に関われています。基礎研究はある意味マイクロサージャリーを越えたミクロの世界であり、臨床で感じた疑問を解き明かし新たな治療を開発するための非常に重要な要素です。順天堂大学は施設としてのポテンシャルが非常に高く、高度な医療と手術ができる施設です。同時に基礎研究ができる体制も整っており、臨床と基礎の融合で新たな医療を発信していける場所です。
手術や創傷管理には理論があり、再現性が重要と考えています。ただ、見て理論を学ぶだけではどうしても学べない事があり、可能な限り若い頃から術野で「触っていく事」も重要と考えています。入局し、私と臨床で関わっていく場合、「理論を伝えながら実際に触ってもらう」という事を日々やっていきたいと思いますし、皆さんが成長する事が形成外科の裾野の拡大、医療の発展につながると思っています。
